ごみ焼却施設建て替え工事に関する住民説明会(第2回)

資料

議事録

ごみ焼却施設建て替え工事に関する住民説明会(第2回)

項目 内容
日時 2026年(令和8年)6月24日
場所 浜区(男里浜区)地区内
主催 清掃事務組合
対象 浜区住民(参加約10名)

 

出席者

清掃事務組合:組合職員4名(話者1が進行担当)

 

建設・工事関係者

 

  • JBエンジニアリング:上村氏(プロジェクトマネージャー)
  • 鴻池組 環境エンジニアリング本部 環境技術部:田中氏・宮本氏・飯田氏(土壌汚染担当)

 

地区住民・区関係者:複数名(話者2・5・7・8・9等)

 

開会・資料確認

進行役(組合担当者)より、冒頭で配布資料の日付誤記(「6月20日」)を訂正し、正しくは**6月24日(本日)**と案内された。

 

配布資料の構成は以下のとおり:

 

  1. 次第
  2. 区長提出の要望書(6月10日付・写し)と組合回答書
  3. 土壌汚染対策法の説明資料
  4. 資料2-1・2-2・2-3(調査結果)および付属断面図(2-3-1〜2-3-6)
  5. 参考資料3-1・3-2・3-4
  6. 道路舗装・振動調査結果

 

前回説明会後に区長から質問書が提出されており、今回はその内容を要望書に盛り込む形で回答するとされた。

 

次第

  1. 土壌汚染対策法について(法律概要・調査の位置づけ)
  2. 土壌汚染状況調査結果の報告(資料2系)
  3. 要望書・区長質問書への回答
  4. 道路舗装・振動調査結果の報告
  5. 掘削に伴う飛散防止・地下水対策(資料3系)

 

1. 土壌汚染対策法の概要説明

鴻池組・飯田氏より説明。

法律の目的と二つの基準

土対法(通称)は、土壌汚染による人の健康被害防止を目的とする法律である。汚染の有無は以下の二基準で判断される。

 

  • 土壌含有量基準:有害物質を口・肌から直接摂取するリスク
  • 土壌溶出量基準:地下水を経由して摂取するリスク

対象有害物質

  • 第一種:ベンゼン等の揮発性有機化合物
  • 第二種:鉛・六価クロム・カドミウム・水銀・ヒ素等の重金属類
  • 第三種(PCB・農薬等):今回の敷地には該当しないため対象外

 

調査は環境大臣指定の「指定調査機関」のみ実施可能であり、鴻池組はその資格を有する。国家資格「土壌汚染調査技術管理者」が管理・実施した。

 

2. 土壌汚染状況調査の結果報告

調査経緯とタイムライン

時期 内容
令和5年 実地調査実施。特定有害物質を検出
令和6年2月頃 鴻池組による本格的な土壌汚染状況調査を開始
令和6年5月 調査結果報告書を阪南市へ提出
令和6年6月9日 大阪府により「形質変更時要届出区域」・「汚染区域」として区域指定

 

土地所有者は阪南市であるため、阪南市が主担当として大阪府と協議し、調査方針・計画書提出・報告書提出の一連の手続きを担当した。

敷地の地歴調査

地歴調査では、文献・航空写真・住宅地図・聞き取り等により敷地の使用履歴を把握した。今回の敷地は以下の三区域に分類された:

 

  • 温水プール跡地(令和6年解体済み)
  • 駐車場(旧ゲートボール場)
  • 施設関連地(現焼却場周辺)

 

敷地の主な歴史的経緯:

 

年代 状況 懸念物質
昭和45年以前 未利用地
昭和45年頃〜 旧焼却施設稼働 六価クロム(造成時)
昭和61年頃〜 現焼却場・温水プール稼働 ベンゼン(プール・灯油使用)
令和6年 温水プール解体・埋め戻し 埋め戻し材の汚染懸念

 

なお、住民側から「駐車場エリアはかつてゲートボール場であったものを、住民の了解なく職員駐車場に転用し、廃棄物をミルフィーユ状に積み上げて野焼きした経緯がある。裁判所がこの土地に対して処分禁止の仮処分命令を下した記録も存在する」との指摘があった。組合側はこの歴史的経緯を把握していること、関連する写真も報告書に含まれていることを認めた。

表層調査の結果(資料2-1・2-2)

汚染のおそれに応じて三段階で評価し(水色:おそれなし、黄色:疑いあり、赤色:使用確認あり)、黄色・赤色エリアで10m格子に区画分けして試料採取・分析を実施。

 

  • 土壌含有量基準不適合:鉛等が複数区画で確認(青色ハッチング)
  • 土壌溶出量基準不適合:鉛等が一定範囲で確認(赤色区画)
  • フッ素の溶出量基準不適合:1区画確認(ピンク区画)

廃棄物層調査(大阪府条例に基づく)

令和5年度調査で敷地下の廃棄物混じり土(廃棄物層)の存在を確認。大阪府条例に基づき、大阪府・阪南市と協議のうえ調査方針を策定した。

 

調査方法:

 

  • 30m格子に1点ボーリング、汚染検出時は10m格子で追加調査
  • 廃棄物層底面(自然地層上面)までボーリング実施
  • 最大深度:約7〜8m

 

結果として、廃棄物層は地表から約7mの深さにわたって存在し、廃棄物と土砂が混在するミルフィーユ状の堆積が確認された。

地下水調査の結果

令和5年調査時に観測井を設置し、六価クロム・鉛・ヒ素・フッ素の4項目を分析。このうちフッ素のみ基準不適合となり、大阪府・阪南市が追加監視を決定。

 

令和6・7・8年の追加調査では、フッ素はいずれも基準適合に推移している。現在は組合駐車場東側の観測井で年1回の分析を継続中。大阪府が半径500m以内の井戸水を検査した結果、汚染物質の検出はなかったと報告された。

 

3. 主な質疑応答

①過去の野焼き・不法投棄の歴史と調査の信頼性(話者2)

住民側の指摘: 「駐車場エリアにはゴミをためて野焼きし、土で覆ってミルフィーユ状にした歴史がある。裁判所から処分禁止の仮処分命令が出た経緯もある。この裁判記録を踏まえた地歴調査をしたのか。ボーリング調査の深度を明示していない。」

 

組合・鴻池組の回答: 野焼きの状況写真を含む資料を調査機関に提供し、廃棄物層調査に反映している。ボーリング深度は廃棄物層底面(7〜8m)まで実施しており、隠蔽の意図はないと明言した。

 

②区域指定通知書の未提示と情報開示の姿勢(話者5)

住民側の指摘: 「6月9日に区域指定されているにもかかわらず、本日(6月24日)の説明会に指定書の現物を持参していないのはなぜか。15日間、住民にオープンにする準備ができなかったのか。見せる気がないのではないか。」

 

組合・鴻池組の回答: 指定書は阪南市役所に保管されており、電話で指定の事実は把握していたが、現物を取りに行けていなかったことを認めた。「指定情報は阪南市・大阪府のホームページで既に公開されており、誰でも閲覧可能な状態にある」と説明。

 

住民側の再批判: 「ネットで見れるとわかっているなら、なぜ今日の説明会に現物を持ってこなかったのか。住民に対してオープンに報告しなければならないという意識が根本的に欠けているのではないか。」

 

また、議会での担当部長答弁(「6月に大阪府へ届け出を行った」)の日付について、前回説明会の説明内容と食い違いがあるとの指摘がなされ、組合側は「確認する」と回答するにとどまった。

 

③鉛高濃度検出地点(ナンバー2)の資料上の扱い(話者5)

住民側の指摘: 「資料2-3では鉛の含有量が1,100mg/kg(基準値の約7〜8倍)と記載されているナンバー2地点があるが、資料2-1の不適合区画図にこの地点が反映されていない。なぜか。」

 

鴻池組の回答: ナンバー2地点は廃棄物が混じった土として「廃棄物」に法的に分類されるため、土対法の表層調査結果(資料2-1)とは別の扱いとなる。資料2-2・2-3には反映されており、対処の対象であることに変わりはないと説明。

 

住民側の再反論: 「廃棄物だろうと土壌だろうと、住民に害を与えるおそれは全く同じだ。法律上の分類より住民の安全という視点から説明すべきではないか。資料2-1を見る限り、不適合でもないのに何も対策しないと読めてしまう。」

 

鴻池組は、後段の飛散防止・施工管理(資料3)においてナンバー2地点を含む全汚染箇所を対象として処置する旨を説明した。

 

④地下水汚染の調査範囲の不十分さ(話者2・7)

住民側の指摘(話者2): 「観測井が1か所だけでは不十分だ。ミルフィーユ状の廃棄物から汚染物質が地下水に浸透し、海方向へ流れ出している可能性がある。上流・下流の両側に観測点を設けるべきと何度も指摘してきた。海にどんどん汚染物質が流れているのではないか。」

 

住民側の指摘(話者7、地元企業関係者): 「この地区では工場が地下水を大量に汲み上げており、塩水が地下に逆流するケースもある。地下水の流れは必ずしも海方向一方向ではない。流れの向きも含めた周辺調査が必要ではないか。」

 

組合の回答: 現状は地下水レベルよりも浅い範囲での掘削を予定しており、地下水を刺激しない設計とした。川を境界として調査範囲が区切られており、川の向こう側は対象外とされている。フッ素については3年間基準適合が続いており、現時点での健康被害は確認されていないと説明。住民側からは「一か所の観測で海への汚染拡散をカバーできないのでは」との批判が続いた。

 

⑤ダイオキシン調査の未実施(話者5)

住民側の質問:「焼却施設の跡地でダイオキシンの調査はしたのか。」

 

組合の回答: 採取した土壌試料から灰らしき成分が確認されなかったため、ダイオキシン調査は実施していない。ダイオキシンは移動性・拡散性が低く、灰の不存在から汚染の可能性は低いと判断しているが、「調査はしていない」との事実は認めた。

 

⑥汚染土の分別と搬出先(話者2・8)

住民側の疑問: 「廃棄物扱いの汚染土と、土対法で扱う汚染土壌では搬出先が違うということか。それぞれ別のトラックで別の処分場に持っていくのか。中身の汚染物質は同じではないのか。」

 

鴻池組の回答: 性状・法律の枠組みによって搬出先が異なる。

 

  • 廃棄物混じり土:産業廃棄物として管理型処分場に搬出
  • 汚染土壌(土対法):専門処理施設に搬出
  • 杭撤去時のセメントミルク混じり土:産業廃棄物として処理

 

いずれも受入先と事前に分析内容を確認・合意した上で契約を締結して搬出する。「受入できないものを持ち込んでしまう」リスクについては、契約条文で対応すると説明。

 

4. 掘削工事の飛散防止・地下水対策(資料3系)

掘削範囲と時期(資料3-1・3-2)

  • 掘削深度:建物基礎底面まで(場所によりマイナス2〜5m。施工誤差として+10cm程度を加算)
  • 掘削予定時期:2027年7月頃・同11月頃
  • 基礎底面の露出期間:約2〜3週間

飛散防止策の詳細(資料3-3)

住民要望の「工事区域全体をテントで覆う工法」については、広域対応・費用面から困難と判断し、以下の複合的な対策を講じる:

 

対策 内容
外囲いフェンス 通常3m高。鉛等の検出エリア(計量棟周辺等)は5m高に引き上げ
散水(必須) 掘削時に継続実施
噴煙防止剤 樹脂系薬剤を散布し表面を約80〜100mm固化。露出面の飛散を抑制
シート養生 露出期間中は防塵シートで全面覆養生(2〜3週間)
運搬時の対策 搬出トラックはシートで覆い、必要に応じてタイヤ洗浄を実施

杭工事の対策

新設建物の基礎杭として深さ約31〜35mの杭を118本打設する計画。旧プール既存杭(159本)のうち新設杭と干渉する24本(深さ約19m)は撤去が必要。

 

撤去手順:

 

  1. 鋼製ケーシングを外側に打ち込み、地下水位(地表から4〜5m)を遮断
  2. ケーシング内部で既存杭を掴んで引き抜く
  3. 空洞にセメントミルクを充填・固化して埋め戻す

 

杭撤去時の排出土は湿った状態で飛散しにくいが、汚染物質として場内集積の上で搬出する。掘削補助材にベントナイトを使用するかケーシング工法のみとするかは、現時点で未確定。

汚染土の処分方針

  • 掘削した汚染土は全量場外搬出。場内への再使用・埋め戻しは行わない。
  • 掘削後の空間(建物基礎部分を除く)は、区域外から持ち込んだ汚染のない土で埋め戻す。
  • 旧ゲートボール場跡の清潔な土については、確認の上、一部仮置き・再利用を検討中。

シートパイル工法不採用をめぐる議論(話者5)

住民側の強い主張: 「2m以上掘削する汚染土地で、シートパイル(鋼矢板)を掘削内周部に打設しないのはなぜか。法面の向こう側に汚染土があるのに、自然傾斜面のままにして雨や崩落で混ざったらどうするのか。裁判所が処分禁止仮処分を命じるほどの問題土地での工事なのに、安全サイドの工法をコスト計上して入札に出さなかったのはなぜか。費用優先で安全を軽視しているとしか思えない。ゼネコンは安い工法を選ぶのは当然であり、安全な発注条件を出さなかった組合の責任が問われる。」

 

鴻池組の回答: 法面が形成できる地盤状態であり、汚染区画のある場所をマーキングで明示して管理しながら施工する予定。費用・工程上の制約からシートパイルは採用していないとしたが、住民側の不満は解消されず、明確な合意には至らなかった。

 

5. 土壌全量入れ替えの要望(話者9)

「できれば7mの深さまで全土壌を入れ替えてほしい。そうすればこの問題は半分以上解決できるはずだ」との意見が住民から出された。組合担当者は「なかなか難しい」と述べるにとどまり、実現の見通しは示されなかった。

 

6. 今後の対応事項

担当 対応内容
清掃事務組合 大阪府区域指定書(現物)を取得し住民に提示する
清掃事務組合 届け出書類・報告書を住民にオープンにする
清掃事務組合 議会答弁との日付齟齬について確認・報告する
鴻池組 汚染土の搬出先を受入先と事前分析の上確定し報告する
鴻池組 次回以降、施工状況写真等の資料を用意して提示する
清掃事務組合 地下水観測点の追加配置について検討・回答する(住民要望)
清掃事務組合 シートパイル工法の採用可能性について検討・回答する(住民要望)
清掃事務組合 ダイオキシン追加調査の要否について見解を示す(住民要望)

 

7. 住民の主な懸念事項まとめ

今回の説明会で繰り返し提起された懸念は以下の6点に集約される。

 

  1. 情報開示の遅さ・不透明さ 区域指定書の未提示、議会答弁との食い違いなど、「住民への説明責任意識が欠けている」との批判が複数の住民から上がった。

 

  1. 地下水観測の不十分さ 観測井が1か所では海方向・上流・下流への汚染拡散を把握できないとの指摘が繰り返された。

 

  1. 高濃度汚染箇所の資料上の見えにくさ 鉛1,100mg/kg(基準値の7〜8倍)の地点が資料2-1に未反映で、「対策なし」と誤読されうる。

 

  1. シートパイル工法不採用への不信 費用優先で安全サイドの工法を選ばなかったとの疑念が根強く残った。

 

  1. 搬出先の未確定 汚染土の搬出先が「現在検討中」の段階であり、具体的な保証が示せていない。

 

  1. ダイオキシンの未調査 焼却施設跡地という性格上、調査を求める意見が出された。

 

8. 次回について

次回説明会の日程は未確定。組合から施工状況写真等の資料をデータで提供予定(来週中を目途)。一部住民から「理事会でもこの内容を共有したい」との意向が示され、組合側は柔軟に対応する姿勢を示した。

 

作成:チームしずく(アリス) 文字起こし録音に基づく整理
※話者の固有名称(話者2・5・7・9等)は文字起こし上で特定できなかったため番号表記とした。正式版作成時に氏名を確認・補記されたい。

 

資料

Posted by 男里浜の宮